【対談:delight ventures】事業の出発点となったアフリカ視察から6年。起業家とVCとしての再会
見出し画像

【対談:delight ventures】事業の出発点となったアフリカ視察から6年。起業家とVCとしての再会

Crezit公式note

2022年2月、6億5000万円の資金調達を実施し、累計の資金調達額が9億2000万円となったCrezit。第三者割当増資 引受先の一社である株式会社デライト・ベンチャーズ マネージングパートナー 渡辺 大氏は「世界を狙える」と同社に大きな期待感を寄せています。CrezitHoldings株式会社 代表 矢部 寿明氏と渡辺氏のアフリカでの運命的な出会いからこれまでの軌跡、今後の展望についてお話を伺いました。(取材・文/岸のぞみ)

FinTech視察ツアー
ケニアでの出会い

――おふたりが最初に出会ったのはいつですか?

矢部
 2016年ですね。僕はまだ学生で、アライアンス・フォーラムという財団にインターンとして参加していました。財団では、アフリカでの金融包摂プロジェクトを実施しており、僕と(渡辺)大さんが知り合ったのも、財団が主催する現地視察ツアーでした。具体的には、アライアンス・フォーラム財団が「東南部アフリカ・BOPファイナンス・FinTechを知る」をテーマに、アフリカ開発銀行やCOMESA (Common Market for Eastern and Southern Africa-COMESA:東南部アフリカ市場共同体)と共同開催した先進市場視察です。2016年2月23日から約1週間、僕は財団側のインターンとしてツアーのアテンドをしており、大さんはツアーの参加者でした。

渡辺 僕は当時、DeNAのサンフランシスコオフィスにいて、アメリカの事業で奮闘している時期でした。もちろん将来VCになることなどはまったく想定もしていない時期です。ただ、財団の会合には個人的に数年来参加しており、財団がテーマとしている公益資本主義(企業の事業を通じて、公益に貢献すること)やマイクロファイナンス(小規模金融:貧しい人々向けに小口の融資や貯蓄などの金融サービスを提供すること)に興味があったので、休暇を取ってツアーにも参加しました。

矢部 ツアーは、現地・ケニアのFinTech関連企業をお呼びして勉強会を開催したり、市内を回ったりするものでした。十数名が参加していたと思います。

渡辺 アフリカでは多くの人が銀行口座を持っていません。その中で携帯電話のクレジットを通してキャッシュレス決済が出来たり、お金を借りられたりする技術が急激に進んだのがケニアでした。ナイロビ(ケニア共和国首都)市内を回って現地の生活を視察したり、現地のスタートアップの方々にお会いしたり、僕一人では絶対に行けないような、現地のリアルな生活を垣間見ることもできました。


――お互いの第一印象はいかがでしたか?

渡辺 
ツアーには変わった方がたくさんいらっしゃいますが、中でも矢部さんはとても面白い学生でしたね。「起業するんです」と言っていたので「学生で起業するなんて、さすがですね。どこで起業されるんですか」と聞けば「ルワンダです」と。「ルワンダ!?」と驚きました(笑)。変わった学生がいるな、と思いましたね。

アメリカから取材にご協力を頂いたデライトベンチャーズ渡辺大さん

矢部 ずっと途上国に関する仕事がやりたいと思っていたんです。はじめは起業ではなく、国連などを目指して大学院に行こうかと悩んでいた時期もありましたが、実際にさまざまな国を回る中で、そうした国際機関に所属するよりも、事業を作る側に回ったほうがいいのではないか、と思い始めていた時期でした。ルワンダを選んだのは、実際ルワンダに行った際にオフショア開発が盛り上がっていたことなどが理由でしたが、まだまだ勉強中の段階でした。

渡辺 ルワンダで起業するという未知の世界。非常に野心的で、面白いな、と。今のうちに友達になっておかないと、と思いましたね(笑)


新たな挑戦の舞台での再会

――ケニアの先進市場視察を終えられて、再会を果たされたのはいつ頃ですか?

矢部 
再会は、2021年9月ですね。大さんはずっとシリコンバレーでしたし、僕もその後就職したり起業したりと、なかなかお会いする機会はなかったです。ふとTwitterでお見掛けして「お久しぶりです!」とご連絡してみた感じです。

渡辺 ケニアでのツアー自体が僕にとって非常に面白い旅の一つだったので、そこで出会えた人と再び連絡を取るというシチュエーションが興味深かったのを覚えています。「お元気ですか、久しぶりにキャッチアップしませんか」と連絡を下さいました。オンラインで話しましたね。僕はずっとアメリカなので、コロナが始まった2020年2月から一度も日本に行ってないんですよ。

矢部 実は6年ぶりの対面はまだ果たしてないですね。

渡辺 久しぶりの再会をオンラインで果たしたあの日は5年分のキャッチアップだったので、盛りだくさんでしたね。矢部さんが「実は起業した」と言うので、「実は僕もVCやってます」と。「あれ、もしかしたら、そういうこと?!」と盛り上がりました(笑)。もし資金調達するんだったら声を掛けてくださいね、と。

矢部 具体的な事業やファイナンスの話は10月に入ってからでした。

渡辺 ちょうどその頃、シード・アーリーステージの起業家・投資家が集まる合同経営合宿「Incubate Camp 14th」が開催されていて、資料をざっと眺めて矢部さんのビジネスがいちばんいいなと直感しましたね。Incubate Campにはデライト・ベンチャーズのメンバーも見に行っていて、「出場するスタートアップで興味のある会社があれば声を掛けてください」と言われたのですぐに矢部さんを紹介しました。「矢部さんのところがいちばんいいよ」と。案の定、400社超のエントリーがある中で、Crezit Holdingsは総合優勝を果たしました。

矢部 9月28日に5年ぶりにお話をさせていただいて、Incubate Campは10月1日、2日。そのあと2回目に打ち合わせをさせていただいたのが10月前半です。その時、既にデライト・ベンチャーズの皆さんは総出で打ち合わせに出てくださったことを覚えています。

渡辺 この人には絶対会わなきゃダメだよって言いましたね。

矢部 予定を合わせてくださったんですね。緊張しましたけど(笑)

――9月28日に再会をされてから、三度目の打ち合わせとなる翌月10月15日には出資を決められました。決め手となったのはどのような点だったのでしょうか?

渡辺 
日本のFinTech市場は、アメリカに比べて成長要素が大きい市場です。特に、現状のサービスとユーザーのニーズにかなりの乖離がある。そのギャップを埋めるスタートアップに出資したいとずっと思っていました。日本の厳しい業界規制をクリアできるモデルと大きい市場機会。そして何より行動力とリーダーシップを兼ね備えた矢部さんがやってくれる。これなら間違いないという感じでした。悩ましいところがない。ファンドとしても投資したい対象で、こういうスタートアップがないかなと思っていた、まさにそこに矢部さんがいた。そういう印象です。

矢部 うれしいですね! 再会してから三度目のミーティングで3億円の出資を決めていただきました。スピーディーに決めていただいたということ自体にももちろん感謝ですし、何より僕はご縁というものがいちばん好きで大切にしているので、ご縁の深い大さんとご一緒できることもうれしかったです。大さんは、僕が明確にFinTechの世界でやっていこうと決意したケニアで出会っていて、そのことにも大きな意味を感じました。


前例なき難市場へ挑む
世界に冠たる企業への旅路

――今後の展望についてお聞かせください。

矢部
 僕らは「信用を最適化して、人の可能性を解き放つ。」をミッションに、消費者信用事業を展開していて、メイン事業としては『Credit as a Service (CaaS)』を手掛けています。つまり、金融サービス構築に必要なシステム基盤やオペレーションを提供していくプラットフォームの開発・提供です。長期的な視点で見れば、既存の金融機関ではない事業者が確実に増えてくる。これは米国や欧州の先行市場で実際に起こっている大きな流れです。ここをリードできる事業、そういうインフラになれるような企業を作っていくというのが、僕らの使命です。短期的な視点では、目の前のプロダクトをしっかり作り切って、導入予定の企業様にしっかり導入いただけるよう準備を進める。同時に非常に難易度の高いマーケットでもあるので、ここをしっかり戦えるようなチームを作っていきたいと思っています。

――渡辺さんはどのようにご覧になっていますか?

渡辺 
矢部さんのやっていること、Crezitの見ているマーケットは絶対に正しいです。すべてのリソースを集中してやるに値するマーケットで、正しく注ぎ込めば必ずチャンスはあります。僕の期待感としては、典型的な日本のスタートアップの世界観ではない、ということ。何千億、何兆を目指せる。プロダクトの立ち上げと拡大はまったく異なるフェーズですが、プロダクトが成功したらとんでもなく巨大なマーケットが待っている。いろんなチャンスがある市場だと思っています。

矢部 ありがとうございます! 僕としても、長期的に腰を据えて、何が本質的に必要なのかを見極めながら数十年単位で取り組みたい課題です。それだけの時間をかけて、やるべき意義もある。10年ぐらいで僕らが描いているミッション、「信用を最適化する」ということが出来ていれば、結構すごいんじゃないかなと思っています。


――最後に、消費者信用事業に携わることの意義についてお聞かせください。

矢部
 与信の課題というと、もしかしたらあまりイメージがわかない方や消費者金融などよくない印象をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。ですが、カードや保証、住宅ローンなど、ほとんどの方が何かしらの形で日常的に与信に関わっている。その中で生まれてくる課題を解決できるという普遍性があります。同時に、非常に難易度が高いビジネスでもある。海外でもスタートアップとして成功している事例はありません。その中でもがき苦しみながら、さまざまなチャレンジを繰り返し、巨大な可能性を秘めたマーケットに挑戦していく。今までのやり方だけじゃない、何か新しいものを見つけて行く。僕たちのビジネスの面白味はそこにあるんじゃないかと思っています。

渡辺 日本のスタートアップもアメリカのスタートアップも見てきた中で、矢部さんに投資したのは、マーケットの大きさと矢部さんの視座。本当に世界に名が轟くような規模に到達すべく勝負に出てほしいと思っています。FinTechはそれができるマーケットの一つです。まさにイノベーションの機が熟している。非常に本命感のある市場、かつ本命感のある会社だと思います。世界を狙える視座がある。期待しています。

矢部 ありがとうございます!

\渡辺さん、ご協力ありがとうございました!/ 


Crezitでは、新しい仲間を募集しています。
詳しい募集要項はこちらからご確認ください👇


みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!
嬉しい!今日も社長がテンションあがりそう〜!
Crezit公式note
Crezit株式会社の公式noteです。Crezitのメンバーの人柄やカルチャーを中心に発信していきます。